1 契約書チェックと「直接損害」

 企業法務の仕事の一環として,契約書のチェックがあります。

 契約書のチェックをしていて悩まされる問題は多々ありますが,次のような条項がいつも出て来るので,当該条項をどう解釈すべきか,修正すべきか否か,修正するのならどのようにすべきか,という問題が,皆さん頭痛の種となっているのではないでしょうか。

 

 (損害賠償)

第〇条 甲又は乙は,相手方が本契約に違反したことにより損害を被ったときは,相手方に対して被った直接損害に限り賠償請求をできるものとする。

 

 筆者において下線を付した「直接損害」なるものの概念が,分からないのです。

 

2 法令用語辞典・法律学辞典及び不法行為法学・債権総論と「直接損害」

 契約書案を持ち込んで来た悩みなき担当者は,「弁護士なのに「直接損害」の意味すら分からないんですか?」というような様子をしているので,こちらはなかなか弱音を吐けず,まずは自分で調べることになります。しかし,法令用語辞典・法律学辞典の類,更に不法行為法学及び債権総論の書物からは,はかばかしい解決が得られません。

 

(1)法令用語辞典

 吉国一郎等編『法令用語辞典<第八次改訂版>』(学陽書房・2001年)においては,「直接強制」,「直接請求」及び「直接選挙」の語は解説されているのですが,「直接損害」の語は取り上げられておらず,ついでながら「間接損害」も掲載されていません。同書は,内閣法制局関係者が執筆しているものですので,すなわちこれは,「直接損害」は我が国の法令用語ではないということでしょうか。

 

(2)法律学辞典と会社法学上の「直接損害・間接損害」

 金子宏等編集代表『法律学小辞典 第4版補訂版』(有斐閣・2008年)には,「直接損害」について定義があるのですが,株式会社の取締役,会計参与,監査役,執行役又は会計監査人の損害賠償責任に関する講学上の概念であって,契約当事者間一般における債務不履行による損害賠償の範囲に係る法令上の概念とはいえないようです。同辞典における「直接損害」の定義は,次のとおり。

 

  株式会社の役員等(会社423①)の悪意・重過失による任務懈怠(けたい)によって第三者が直接に損害を被った場合のその損害をいう。任務懈怠により株式会社に損害が生じ,その結果として第三者が損害を被るわけではない点で,間接損害と区別される。会社法429条1項(役員等の第三者に対する損害賠償責任)にいう「損害」には,直接損害と間接損害のいずれも含まれるというのが,判例である(最大判昭和441126民集23112150)。(金子等編871頁)

 

 会社法(平成17年法律第86号)423条1項は,株式会社の取締役,会計参与,監査役,執行役又は会計監査人をもって同法第2編第4章第11節(役員等の損害賠償責任)における「役員等」であるものと定義しています。また,同節はまず役員等の株式会社に対する損害賠償責任について規定していますから(同法423条以下),ここでの「第三者」とは当該役員等がその機関であるところの株式会社以外の者ということになります。

 会社法429条1項は「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは,当該役員等は,これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」と規定しています。(他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは,これらの者は連帯債務者となります(同法430条)。)

 第三者に「直接損害」(「典型的には,会社が倒産に瀕した時期に取締役が返済見込みのない金銭借入れ,代金支払の見込みのない商品購入等を行ったことにより契約相手方である第三者が被る損害である。」)を被らせる(会社には損害が無い。)役員等の悪意・重過失による任務懈怠は,当該任務懈怠行為における「契約相手方に対する不法行為(民709条)にも当たり得るが(最判昭和47・9・21判時68488頁),判例によれば,不法行為は第三者に対する加害についての故意・過失を要件とするのに対し,この責任は,取締役の会社に対する任務懈怠についての悪意・重過失を要件とする点が異なるという(最判昭和441126民集23112150頁)。」と説明されています(江頭憲治郎『株式会社法 第6版』(有斐閣・2015年)505頁)。

 

(3)不法行為法学における「間接損害」

債務不履行ならぬ不法行為に関する我が法学用語には,「間接損害」というものがあります。

 

 直接には甲に対する加害行為がなされることによって,同時に,かねてから甲と特別の社会関係に立っている乙にも――この甲乙間の社会関係を媒介として――損害を与える,という場合がある。このような場合に,加害者は,甲に対する不法行為責任のほかに,乙に対する関係においても不法行為を負うべき場合があるのか。あるとすれば,それはいかなる要件のもとにおいてであり,またこの責任と,甲に対する責任とはいかなる関係に立つのかという〔問題を,〕「間接損害」ないし「間接被害者」と不法行為の問題,とよぶこともできよう。具体的には,甲の生命や身体が侵害されたことにより近親者乙がある種の損害を受けた場合〔略〕,および甲の生命・身体が侵害されることにより,甲の雇主たる乙企業が企業独自の損害――いわゆる「企業損害」――を受けた場合〔略〕,が主として問題になる。(幾代通著・徳本伸一補訂『不法行為法』(有斐閣・1993年)245頁)

 

とはいえ,この「間接損害」の概念も確乎としたものではなく,「企業損害」だけを「間接損害」の語で呼ぶこともあれば,「間接損害」の語を避けて「反射損害」の語を用いる学者もいるそうです(幾代246頁)。

「間接損害」以外の損害を「直接損害」ということにして,上記の不法行為法学的用法をパラレルに契約当事者間の債務不履行の場面に当てはめると,債務者の債権者に対する債務不履行によって当該債権者に対して与えられた損害は全て「直接損害」ということになって,わざわざ「直接」との形容詞を付する必要はなさそうです。前記条項の「相手方に対して被った直接損害に限り賠償請求をできるものとする。」との規定の意味は,債権者は自分以外の者に生じた損害の賠償を請求することはしない,という当たり前のことを確認した規定ということになります。面白くないですね。
 なお,不法行為法の議論においては,次のような指摘もあります。


  ・・・同一主体に生ずる損害としては,たしかに交通事故などの場合には,最初にまずごく単純明快な「直接的」といえるような損害が生じ,ついでこの損害があったということが原因(の一つ)となって後続の「間接的」損害が発生する,という場合が多いけれども,不法行為一般についてみれば,必ずしもこのような態様のものばかりとはかぎらない。一被害主体にとっての最初の損害それ自体が,加害者(と擬せられる者)の行為から発して必ずしも直線的でない複雑で複合的な事実的因果関係の連鎖によって初めて生ずる,という場合もある。このような場合をも視野に入れて考察するとき,「直接的結果(損害)」「間接的結果(損害)」という区分の実用法学上の有用性には疑問をいだかざるをえないのである。(幾代129頁)

 

(4)債権総論

不法行為ではなく,債務不履行により生じた損害に係る「直接損害」概念について説いた書物はないものか,ということで,我妻榮『新訂債権総論(民法講義Ⅳ)』(岩波書店・1972年)の事項索引に当たってみると,そこには「直接損害」も「間接損害」も見出しとして掲げられてはいません。内田貴『民法Ⅲ債権総論・担保物権』(東京大学出版会・1996年)の事項索引にも「直接損害」は見出しとなっておらず,「間接損害」とあるのはそこでも不法行為法上の概念としての掲載です(同書173175頁)。

どうもよく分からない。

 

3 小説的会話

 

「この,「直接損害」って何ですか。」

「えっ,先生は弁護士なんだから御存知なんじゃないですか。」

「いや,日本の法学上は,株式会社の役員等の第三者に対する損害賠償責任の場面において「直接損害」と「間接損害」との区別が論じられたり,不法行為法における「間接損害」の取扱いが問題になったりしていますけれども,債務不履行により生じた損害の賠償の範囲について「直接損害」が云々という議論はちょっと聞いたことがないですねぇ。うーん,民法416条では,第1項で「債務の不履行に対する損害賠償の請求は,これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。」と,第2項で「特別の事情によって生じた損害であっても,当事者がその事情を予見し,又は予見することができたときは,債権者は,その賠償を請求することができる。」と規定しているんですが,第1項の損害は「通常損害」,第2項の損害は「特別損害」と呼ばれていて,「直接損害」の語は用いられていないんですよねぇ。契約書のこの「直接損害」条項は,民法416条とどう違うことになるんですかねぇ。」

「私は存じ上げません。先生がお考え下さい。」

「えっ。しかし,私にはこの「直接損害」の意味が分からないんで,困りましたねぇ。ここは日本民法416条の原則にそのまま乗っかってしまうことにして,この「直接損害」云々が含まれている条項はいっそ削ってしまいましょうか。契約書にわざわざ書かなくても,債務不履行によって債権者に損害を与えたら債務者は損害賠償しなきゃならないということは民法上当り前のことでしょう。」

「いや,契約書に書いておかないと,相手方が損害賠償に応じてくれない可能性があります。」

「(そんな屁理屈をこきそうな困った相手と何で契約を結ぶのかなぁ。)うーん,この条項は,あなたの部の契約書では昔から使っているんでしょ。」

「そうです。」

「そうだとしたら,昔からいる人もいるんでしょうから,だれか部内で「直接損害」の意味を知っている人はいませんかねぇ。」

「当部は法務部ではありません。」

「しかし,意味の分からぬ契約書をそのまま長いこと使っていたんですか。ちょっとこれは変だとか,気持ち悪いとか思わなかったんですか。」

「先生,細かいですねぇ。契約書なんてだれも細かく読みませんよ。」

「(うっ,それなら何で契約書のチェックを求めて来るんだろう。)困りましたねぇ。契約書はビジネスの基本ツールなんだけど,御存知ない,でやってこられましたか。困りましたねぇ。」

「先生,あなたは私たちが長年やってきたことを馬鹿にされるのですか。」

「いやいや,そんなことはありません。ただちょっと困っているだけです。(その「長年」のうちにだれかちゃんと調べてくれればよかったのになぁ。みんな長年しあわせに,何を考えて仕事をしていたのかしら。)・・・そうですねぇ,この「直接損害」の概念って,英文契約書の翻訳あたりからウィルスのように日本国内向けの契約書に侵入した,っていうことはないでしょうかね。その辺分かるような英文契約書とかその参考書とか,心当たりはありませんか。」

「何で契約書チェックを受けるのに,英文契約についてまでこちらで調べなければならないんですか。先生,それって,パワハラじゃないですか。」

「いやいや,パワハラなど滅相もない。(危ない,危ない,パワハラ認定がされると干されてしまう。)」

「先生は,英語はできないんですか。先生は,超一流法律事務所の先生方と違って,ナニが高くないって聞いてますからね,困りましたねぇ。」

「はは・・・。(良心的報酬額設定がかえって仇となるのかい。)」

「とにかく先生,こちらは締切りが迫っているんです。急いでいるんで早くチェックを済ませてください。先生のせいでみんなが迷惑するんです。」

「ははははいーぃ。」

 

4 英米法

 筆者が英米法の法律辞典類を見て,direct damagesとかdirect lossの定義を調べてみても,はっきりとしたことは分かりませんでした。

 ところが,最近某得意先企業の空いている役員室で作業をさせてもらっているとき,そこに置いてあった英米法辞典を見てピンと来るものがありました。(なお,この英米法辞典は,後で確認しましたが,Black’s Law Dictionaryの第10版ではありませんでした。)

 

 「これはやはり,Hadleyじゃないかな。」

 

(1)ハドリー事件判決と日本民法416

 我が民法(明治29年法律第89号)416条の規定がそれに由来するイングランドにおける1854年2月23日(嘉永七年二月二十三日ならば横浜応接所でペリー持参の献上品である汽車模型が円型レールで試運転された日なのですが,日本におけるその日はグレゴリオ暦では1854年3月21日です(『近代日本総合年表 第四版』(岩波書店・2001年))。)のHadley v. Baxandale判決は,代表的民法教科書の一つにおいて,次のように紹介されています。

 

 ・・・ハドリー事件とはどのような事案だったのだろうか。原告Xは製粉所を経営していたが,製粉機の回転軸(クランク・シャフト)が壊れて製粉機が動かなくなったので,その回転軸を遠方にある機械製作所に見本として送って,新しい回転軸を作ってもらうことにした。そこで,運送会社Yに対し,その運搬を依頼したが,Yの懈怠のために運送が遅れ,結局新しい回転軸は予定より数日遅れて届くことになった。その結果,その間Xの製粉所は操業の停止を余儀なくされ,操業していたら得られたであろう利益を失った。これを賠償請求したのが,この事件である〔略〕。

  〔原審はXの請求を認容したが,控訴審の本件〕判決は,契約違反に対する損害賠償を,契約締結時に当事者が予見しえた範囲に限定すべきだとし,当該回転軸がなければXの工場が操業を停止せざるを得なくなるかどうかは,Yにはわからなかったとして(予備の回転軸がある場合もあるから),結論的にはXの請求を認めなかった。(内田148頁)

 

我が民法416条1項の通常損害の賠償請求には債権者による「予見可能性の立証は不要であるが,〔同条2項の〕特別損害なら,債権者の方で「特別の事情」の予見可能性を立証する必要がある」とされています(内田149頁)。民法「416条で予見の対象となっているのは,「特別の事情」であって「損害」そのものではないことは,文言上も明らかである」ところです(内田149頁)。民法416条2項の予見の主体である「当事者」は,富井政章及び本野一郎のフランス語訳では“les parties”と複数の両当事者とされていますが(《Code Civil de L’Empire du Japon 1896》(新青出版・1997年)),判例・通説上は債務者とされ(内田151頁),予見の時期は,Hadley判決では契約締結時とされていましたが,我が判例・通説上は履行期ないしは不履行時としています(内田152頁)。

 

(2)英米法学におけるハドリー事件判決解説と直接損害(Direct Damages)概念

英米法の法律家はどう言っているものかと“Hadley v. Baxandale”でインターネット検索をすると,カリフォルニア大学バークレー校ボールト・ホール法科大学院のメルヴィン・アロン・エイゼンバーグ教授の「ハドリー対バクセンデール原則」という論文が見つかりました(Melvin Aron Eisenberg, The Principle of Hadley v. Baxendale, 80 CAL. L. REV. 563 (1992))。以下同教授の当該論文により,ハドリー対バクセンデール事件及び判決並びにそこにおいて表明された原則を見てみましょう(なお,同教授は,「ハドリー対バクセンデール原則」のAufhebenを主張しています。)。

事件について。新しいシャフトの原型とすべく(as a pattern)壊れたクランク・シャフトが送られた先は,原製作者であるグリニッジのJoyce & Co.という会社でした。(なお,原告の製粉所はGloucesterにありました。)原告はその従業員を,Pickford & Co.の商号で営業している大きな運送事業者の現地事務所に行かせ,当該従業員はピックフォードの事務員に製粉所が止まったからシャフトは直ちに送られなければならないと告げたところ,当該事務員は正午までにシャフトを預かればその翌日にはグリニッジに届くと答えました。その翌日正午前に当該シャフトはピックフォードに委ねられ,ハドリーは運送賃として2ポンド4ペンスを支払いました。ピックフォードの事務員は,急いで送ってくれと告げられています。しかしながら,運送は何らかの懈怠("by some neglect”)によって5日間遅れます。ピックフォードは荷物をロンドンに送ったのですが,シャフトをロンドンからグリニッジに直ちに鉄道で転送せずにそのまま数日止め置き,別の鉄製品と一緒に運河でジョイスに送ったのでした。その結果,製粉所は5日間余計に操業ができませんでした。原告(複数形になっています。)は300ポンドの損害賠償を請求したところ,一審判決(陪審)は100ポンド分を認容しました。(Eisenberg pp.563-564
 ハドリーの製粉所の名前はCity Steam-Mills,ピックフォードの経営者がバクセンデールです(溜箭将之「損害賠償の範囲」『アメリカ法判例百選』(有斐閣・2012年)206頁)。 

(なお,止まってしまった機械を製粉機ではなく「製麺機」であると紹介する書物もありますが(北川善太郎=潮見佳男「§416(損害賠償の範囲)」『新版注釈民法(10)Ⅱ債権(1)債権の目的・効力(2)』(有斐閣・2011年)334頁),ハドリーの製粉所で機械が止まって供給できなくなった商品は“flour, sharps, and bran”(小麦粉,(小麦の)二番粉及びぬか・ふすま)とされていて(Eisenberg p.564),パスタ類は挙げられていません。)

ところが,原告にとって,控訴審の判決(Hadley v. Baxandale (1854), 9 Exch. 341, 156 Eng. Rep. 145)はがっかりものでした。

 

 〔控訴を受けた〕Exchequer Chamber1873年にCourt of Appealとなります(田中英夫『英米法総論上』(東京大学出版会・1980年)164頁)。〕は判決を覆した。しかしながら,〔損害の〕遠隔性の理論(theory of remoteness)によってではなかった。その代わり,当該裁判所は,契約違反(a breach of contract)によって損害を被った(injured)当事者は,「自然に,すなわち,通常のことの成り行きによって生ずるものと・・・合理的に認められる(“reasonably be considered … [as] arising naturally, i.e., according to the usual course of things”」べきものである損害(damages)又は「当該契約の違反による蓋然的結果として,契約の締結時において両当事者の予期するところにあったものと合理的に想定され(reasonably be supposed to have been in the contemplation of both parties, at the time they made the contract, as the probable result of the breach of it”)」得るものである損害のみを回復することができると述べた。裁判所は,原告はいずれのテストも満足させることができなかったものと結論した。当該裁判所の判決の二つの肢(the two branches of the court’s holding)は,ハドリー対バクセンデールの第1及び第2のルール(the first and second rules of Hadley v. Baxandale)として知られるようになった。(Eisenberg p.564

 

ハドリー対バクセンデールの第1ルールは我が民法416条1項(「債務の不履行に対する損害賠償の請求は,これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。」)に,同第2ルールは同条2項(「特別の事情によって生じた損害であっても,当事者がその事情を予見し,又は予見することができたときは,債権者は,その賠償を請求することができる。」)に対応するものであることは明らかです。ただし,ハドリー対バクセンデールでは,予期の対象は損害であって損害の原因たる事情の予見は問題になっておらず,予期の主体は契約の両当事者,予期の時期は契約の締結時です。

しかして,エイゼンバーグ論文の次の一節に至って,「直接損害」概念の英米法的淵源を尋ねんとする筆者の肩の荷は下りたのでした。

 

ハドリー対バクセンデールの二つのルールの基礎の上にあって,契約法は,伝統的に,一方における一般又は直接損害general or direct damages)と他方における特別又は派生損害(special or consequential damages)とを区別してきた。一般又は直接損害は,買主〔債権者〕に係る特有の事情とは関係なく所与のタイプの不履行から生ずる損害である。一般損害の賠償は,ハドリー対バクセンデールの原則によって妨げられることは全くない。定義それ自体によって,そのような損害は「自然に,すなわち,通常のことの成り行きによって当該不履行から生ずるものと・・・合理的に認められる」べきものだからである。例えば,売主が物品売買契約に係る債務を履行しなかったときには,買主は,契約代金額と市場価格又は代替品の価格との差額に等しい損害を被るということは自然の成り行きである。この差額は,通常,一般損害として回復され得る。(Eisenberg p.565。下線による強調は筆者)

 

 何のことはない,実は「直接損害(direct damages)」≒「民法416条1項の通常損害(le préjudice qu’entraînerait l’inexécution, d’après le cours ordinaire des choses (富井=本野訳))」だったのでした。


5 フランス民法

 我が民法416条のフランス語訳における“d’après le cours ordinaire des choses”と英語のaccording to the usual course of thingsとはよく似た表現ですが,これは,ハドリー対バクセンデール事件判決の理論が,「フランスのポチェという学者(フランス民法典に大きな影響を与えた学者)の理論の影響を受けているといわれ」ている(内田148頁)からでもあるのでしょうか。

 

  (b)〔債務不履行による損害の賠償の範囲〕の点の原則的な考え方および実際の範囲についての立法例は,大別して二つに分かれる。賠償すべき損害の範囲を比較的狭くしているもの(例えば英米,フランス)が多いが,比較的広く,建前としては全損害を賠償すべしとするもの(「完全賠償の原則」などと呼ばれる。ドイツ)もある。前者は,フランスのポチエ(Pothier)という学者(さらに古くはデュムーランDumoulin, Molinaeus)に由来する。ポチエの考えは,原則として債務者が契約時に予見可能であった損害のみ賠償すればよいとすること,故意の不履行の場合については過失による不履行の場合よりも賠償すべき損害の範囲を広くしていること(損害を直接損害・間接損害に分け,前者では間接損害の賠償まで,後者は直接損害の賠償に止まる,とある)に特色がある。後者は,これを批判し,いったん債務者に故意過失があって賠償すべきであるとされた以上は,その範囲は原則として損害のすべてに及ぶとするのが債権者のために必要であるとの立場に立ちつつ,あまり範囲が広がるのは適当でないとして,相当の範囲,つまり「相当因果関係」のある損害の範囲に止めようとするものである。〔略〕

  (c)わが民法は,416条でこれを定めているが,読めばわかるとおり,基本的には前者の立場をとっている。(α)これは,ポチエの影響を受けた英米法を参照にして作られたものである(民法〔34条〕,526条〔略〕などと共に英米法の影響を受けた規定の一つである。)ポチエを祖父とするとその孫ということになり,ポチエの子法であるフランス民法とは叔父おいの関係にあることになる(フランス民法と異なり,直接損害・間接損害の区別をしていない)。〔後略〕(星野英一『民法概論Ⅲ(債権総論)』(良書普及会・1981年)6869頁。下線は筆者によるもの)

 

 フランス法には,「直接損害」と「間接損害」の区別があるようです。しかし,そこでいう「直接損害」は,ハドリー対バクセンデールの第1ルールについていわれる「直接損害(direct damages)」と同じものでしょうか,違うものでしょうか。

当該「叔父」法のフランス民法を見てみようと思いますが,実は同法は昨年(2016年)10月に改正があって,以前とは条文番号がずれたりなどしています。

 

1231条の2(旧1149条) 債権者に対する損害賠償は,以下の例外及び修正を別にして,一般に,その被った損失及び失われた利益についてである。

1231条の3(旧1150条) 不履行が重大な懈怠又は悪意(une faute lourde ou dolosive)によるものではない場合においては,債務者は,契約締結の時に予見され,又は予見されることができた(qui puvaient être prévus)損害賠償の責任のみを負う。

1231条の4(旧1151条) 契約の不履行が重大な懈怠又は悪意によるものである場合であっても,損害賠償は,不履行に接着しかつ直接の結果であるもの以外を含まない(les dommages et intérêts ne comprennet que ce qui est une suite immédiate et direct de l’inexécution)。

 

 債務者が悪意により(à une faute dolosive“dolosif”には仏和辞典的には「詐欺の」との訳語が当てられています。))債務不履行をした場合であっても,損害賠償の対象範囲は「間接損害」にまで及ぶものではなく,なおも「直接損害(une suite immédiate et direct)」にとどまるようです。

 

 〔フランス民法旧1151条(現1231条の4)〕では,間接の結果である損害は排除されている。しかも,フランス民法上,直接損害(dommage direct)は,損害の予見性とともに因果関係の制限の問題として理解されている(イタリア民法1223条も同旨)。直接損害・間接損害の古典的な例として,次のものをあげることができる。病気の馬を給付したところ,買主の所有している他の健康な馬にその病気が感染し,その馬も死亡した場合は,直接損害が発生している。他方,馬の死亡のために,農地の耕作ができず,収入を得られず,他の借金の返済にまわせず,その結果として財産の差押えを受けた場合は,(他の借金を返済できないという損害が生じているため)間接損害が発生している(Pothier, Traité des obligations)。(北川=潮見329頁)

 

  わが民法の起草者は,直接損害・間接損害という区別を〔略〕フランス流に解したうえで,直接の結果か間接の結果かという区別は不明確であるとして排斥した〔略〕。(北川=潮見329頁。また,332333頁)

 

6 民法416条の起草経緯管見

我が現行民法起草前のフランス法学者ボアソナアドによる我が旧民法財産編(明治23年法律第28号)385条は,フランス民法旧1149条から旧1151条に倣って,次のように規定していました。

 

385条 損害賠償ハ債権者ノ受ケタル損失ノ償金及ヒ其失ヒタル利得ノ填補ヲ包含ス

 然レトモ債務者ノ悪意ナク懈怠ノミニ出テタル不履行又ハ遅延ニ付テハ損害賠償ハ当事者カ合意ノ時ニ予見シ又ハ予見スルヲ得ヘカリシ損失ト利得ノ喪失トノミヲ包含ス

 悪意ノ場合ニ於テハ予見スルヲ得サリシ損害ト雖モ不履行ヨリ生スル結果ニシテ避ク可カラサルモノタルトキハ債務者其賠償ヲ負担ス

 

我が旧民法財産編385条3項とフランス民法旧1151条(現1231条の4)との相違は,ボアソナアドによれば「間接の損害とは,たとえば,買主が転売契約上の債務を履行できなくなったために負うに至った巨大な賠償額のようなものであるが,フランス民法がこれを排して,悪意の不履行でも直接の損害に限定しているのは,不履行より直接生じた損害以外のものは義務不履行の確実な結果とはいえないことと,間接の損害は買主が注意すれば避けることができたものと推測されることによる。したがって,直接・間接の結果に代わって,債権者が損害を避けることができたかどうかが範囲決定の標準とされた」ということだそうです(北川=潮見330頁)。

しかし,いわゆる民法典論争を経て旧民法の施行延期,現行民法案の起草という流れとなり,債務不履行による損害の賠償の範囲に関する我が旧民法及び現行民法の各規定間に断絶が生じます。

法典調査会に提出された原案の410条は,次のとおり(北川=潮見332頁。下線は筆者によるもの)。

 

損害賠償ノ請求ハ通常ノ場合ニ於テ債務ノ不履行ヨリ生スヘキ損害ノ賠償ヲ為サシムルヲ以テ目的トス

当事者カ始メヨリ予見シ又ハ予見スルコトヲ得ヘカリシ損害ニ付テハ特別ノ事情ヨリ生シタルモノト雖モ其賠償ヲ請求スルコトヲ得

 

原案410条にも「予見」が出て来ますが,これは旧民法財産編385条の「予見」とは「異なる原理に基づいてい」ました(北川=潮見333頁)。「つまり,旧民法上,過失による不履行は予見された損害または予見可能な損害の賠償責任を生じさせ,故意による不履行は予見することのできなかった損害の賠償責任を生じさせていた(旧民法財産編385Ⅱ・Ⅲ)。これに対して,原案410条は,「債務関係ノ性質ヨリシテ」損害賠償の範囲および額を決めるうえでは,予見を標準とせざるをえないとの理解を基礎に据え,「特別の事情より生じた損害」の予見ないし予見可能性を標準としている(法典調査会民法議事速記録185455丁)。そして,「英吉利(など)ノ有名ナ判決例ノ規則(など)デモ詰リ之ニ帰スルノデアツテ通常ノ結果カラ予見シテ居レバ特別ノ結果デモ之ヲ償フコトヲ要スル如何ニモ穏カナ規則ジヤラウト思ヒマス」(法典調査会民法議事速記録1855丁)と述べられている。」と紹介されています(北川=潮見333334頁)。これは,旧民法では損害の分類基準として「避ク可カラサルモノ」か否か(避ク可カラサルモノであれば「直接損害」として損害賠償の範囲内,避けることができたのなら「間接損害」であって範囲外)をなお採用した上でその「避ク可カラサルモノ」枠内において悪意の無い懈怠者については予見可能性をもって更に損害賠償の範囲を限定するという構造であったのに対し,現行民法416条の原案では,損害賠償の範囲自体を予見可能性でもって画するということになったということでしょう(「1項には「予見」という字句が入っていないが,「通常生スヘキ損害」は「予見スヘキモノ」(梅〔『民法要義巻之三』〕56)と考えられるものであるという理解からすれば,2項のみならず1項も含めて,「予見」という要素が,賠償されるべき損害の範囲を確定するための標準として捉えられていたとみるのが適切である」(北川=潮見334335頁)。)。「直接損害・間接損害」というフランス民法流の損害区分の概念がここで消えたわけです。

旧民法財産編385条に代わる我が民法「416条は,イギリス法の先例であるハドレー事件に大きく依拠して作られた面がある。1項の通常損害と2項の特別損害の区別は,ヨーロッパ大陸法においては一般的には認められていないものであり,すぐれてイギリス法的な区分であるといえる。」とされていますから(北川=潮見341頁),我が通常損害はハドリー対バクセンデール事件判決以来の英米法的「直接損害(direct damages)」に由来するものであるとしても,ヨーロッパ大陸法の雄たるフランス民法1231条の4的な「直接損害(une suite immédiate et direct)」とは異なることになるのでしょう。すなわち,英米法の「直接損害」とフランス法の「直接損害」とは異なるものとなることになるようです。

 

7 予見可能性の意味をめぐって

 

(1)民法416

ところで,我が民法416条における「予見することができた(予見可能)」(les parties ont…pu prévoir(富井=本野訳))については,「予見可能とは,事実可能ということでなく,予見すべきであるという規範的な意味である」とされています(星野74頁)。しかし,これに対して前田達明教授は,「ハドレー事件,ドイツ法,フランス法は,どれも『事実としての予見可能性』を述べているし,ボアソナード草案405条2項を受けた旧民法財産編385条2項も,それを受けた416条2項も,『事実としての予見可能性』を規定したものとみるのが素直である」と,予見可能性の規範的把握(これでは「極端な言い方をするならば,信義則(1条2項)でもって損害賠償の範囲が定まるというのと同じことになってしまう」)に反対しています(北川=潮見415416頁)。

この論点に関しては,平成29年法律第44号による改正後の民法416条2項は「特別の事情によって生じた損害であっても,当事者がその事情を予見すべきであったときは,債権者は,その賠償を請求することができる。」となりますから(下線は筆者),我が国では規範的把握論者に軍配が上がったようです。

 

(2)ハドリー事件判決

しかしながら,予見可能性が規範的に把握されるということは,我が民法416条がハドリー対バクセンデール事件判決の準則からより遠ざかるということになりそうです。

実は,ハドリー対バクセンデール事件判決の準則における予見可能性(foreseeability)は,「伝統的」に,「当該損害が予見され得たこと,及びそれ〔当該損害〕が発生する見込み(prospect)が限界的なものを超えており(more than marginal)又は取るに足らないものではない(not insignificant)ことのみではなく,事前的に見て(viewed ex ante),当該損害が結果することが蓋然的probable)又は高度に蓋然的(highly probable)であったことまでをも要求するもの」とされていたのでした(Eisenberg p.567)。「比較的素直に(in a relatively straightforward way)適用された場合であっても,ハドリー対バクセンデール原則は,逸失利益(lost profit)を典型的に排除し(typically cuts off),本来的に損害賠償を制限するものである。」ということになります(Eisenberg p.569)。逸失利益は,special or consequential damagesの典型とされていたのですが(Eisenberg p.565)。

なお,Koufos v. C. Czarnikow Ltd., [1969] 1 App. Cas. 350 [The Heron II] (1967)事件判決においてライド卿は,ハドリー対バクセンデール事件判決におけるオールダソン裁判官の思考を次のように解説します(Eisenberg p.579)。

 

〔彼は,〕明らかに,遅滞が製粉所の操業再開を妨げるだろうということが合理的に予見可能(reasonably foreseeable)ではなかった,ということを言おうとはしていなかったし,言おうとすることはできなかった。彼は単に,非常に多くの(in the great multitude)――これは,私は大多数(the great majority)という意味にとるが――場合には,それは起こらないものである(this would not happen)と述べただけである。彼は,予見できる結果と予見できない結果とをではなく,大多数の場合に生ずるものであるのでありそうな(likely)結果と,極少数の場合(in a small minority of cases)にのみ起るものであるのでありそうにない(unlikely)結果とを区別していたのである。・・・彼は,明らかに,大多数の場合において起る結果は,両当事者の予期の中(in the contemplation of the parties)にあったものと公正かつ合理的に認められるべき(should fairly and reasonably be regarded)であるが,相当な可能性として(as a substantial possibility)予見することはできるが極少数の場合にしか起こらない結果は,彼らの予期の中にあったものと認められるべきではないということを言おうとしていたのである。・・・

  

 ハドリー対バクセンデール事件判決について「今日では,この判例は,Koufos v. C. Czarnikow Ltd., [1969] 1 A.C. 350 [The Heron II]・・・に照らして,理解されなければならない。」とされていますが(田中英夫『英米法総論下』(東京大学出版会・1980年)539頁),なかなか難しい。The Heron II判決は,後にH. Parsons (Livestock) Ltd. v. Uttley Ingham & Co., [1978] 1 Q.B. 791 (Eng. C.A. 1977)において,デニング卿によって次のようにまとめられています(Eisenberg p.580)。

 

  契約違反の場合においては,裁判所は,当該結果が,合理的な人間(a reasonable man)が契約締結の際非常に大きな程度の蓋然性があるものとして(as being of a very substantial degree of probability予期するcontemplate)ようなものであったかどうかを検討しなければならない・・・

  不法行為の場合においては,裁判所は,当該結果が,合理的な人間が不法行為の際上記より相当低い程度の蓋然性があるものとして(as being of a much lower degree of probability予見するforesee)ようなものであったかどうかを検討しなければならない・・・

 

 ちょっとした可能性(possibility)ではだめで,高度の蓋然性(probability)がなければ債務不履行に基づく損害賠償の範囲内に入る前に足切りをされてしまうということでしょうか。契約締結時における予見(foresee)ないしは予期(contemplate)に係る損害の可能性ないしは蓋然性の程度が問題とされているのですね。これに対して我が民法416条では,損害の原因となった事情に係る債務不履行時における予見(prévoir)の有る無しないしは予見の可能性(pouvoir)の有る無しが問題になっているということのようです。

 

8 小括

 要するに,「直接損害」は英文契約書由来の概念であるとの前提で考えれば沿革的には我が民法416条の通常損害に対応するが,必ずしも一致はしない,そこで英米法的なものとして直接理解しようとしてみれば英米法の大変な勉強が必要になってしまってとてもじゃないがやってられない,さりとて日本法においては適当な対応概念が見当たらない(フランス法的な直接損害・間接損害の区別は現行民法起草時に放棄されている。),ということでしょう。概念が曖昧な語は,使用しない方が無難だと思うのですが,どうでしょうか。

 

9 ドイツ民法

 最後は附録です。「比較的広く,建前としては全損害を賠償すべしとするもの(「完全賠償の原則」などと呼ばれる。ドイツ)」と紹介されているライン川の向こうのドイツ民法における我が民法416条に係る対応条項を見ておきましょう。

 

  (損害賠償の性質(Art)及び範囲)

 第249条 損害賠償の義務を負う者は,賠償を義務付けることとなった事情(Umstand)が生じなかった場合において存在したであろう状態を回復しなければならない。

 2 人身の傷害又は物の損壊による損害賠償をすべきときは,債権者は,原状回復(Herstellung)に代えてそれに必要な費用の額を請求することができる。物の損壊の場合には,現実に課されたときであって,かつ,その範囲内において,消費税(Umsatzsteuer)のみが,前文の必要な金額に含まれる。

  (期間設定後の金銭による損害賠償)

 第250条 債権者は,賠償義務者に対して,当該期間経過後に原状回復を拒絶するために,原状回復のための相当の(angemessene)期間を意思表示により定めることができる。原状回復が適時(rechtzeitig)にされない場合には,当該期間の経過後,債権者は金銭による賠償を請求することができ,原状回復請求権は消滅する(ist ausgeschlossen)。

  (期間設定を要しない金銭による損害賠償) 

251条 原状回復が不可能であるとき,又は債権者の補償(Entschädigung)のために不十分であるときは,賠償義務者は,債権者に対して,金銭で補償しなければならない。

2 原状回復が過大な費用によって(mit unverhältnismäßigen Aufwendungen)のみ可能である場合には,賠償義務者は,債権者を金銭で補償することができる。傷害を負った動物の治療行為(Heilbehandlung)によって生ずる費用は,その価額を著しく超えない限り過大ではない(sind nicht bereits dann unverhältnismäßig, wenn sie dessen Wert erheblich übersteigen)。

  (逸失利益)

 第252条 賠償されるべき損害には,逸失利益が含まれる。逸失された利益とは,物事の通常の成り行きに基づき(nach dem gewöhnlichen Lauf der Dinge),又は特別の事情(den besonderen Umständen),特に,執られた手配及び備えに基づき(nach den getroffenen Anstalten und Vorkehrungen),蓋然性(Wahrscheinlichkeit)をもって期待されることができた(erwartet werden konnte)利益である。

  (非物的損害(Immaterieller Schaden))

 第253条 財産上の損害(Vermögensschaden)ではない損害については,法律によって定められた場合にのみ金銭による補償を請求することができる。

 2 身体,健康,自由又は性的自己決定の(der sexuellen Selbstbestimmung)傷害又は侵害によって(wegen einer Verletzung)損害賠償がされるべきときは,財産上の損害ではない損害についても金銭による相当な補償(eine billige Entschädigung)を請求することができる。

 

 

弁護士 齊藤雅俊

大志わかば法律事務所

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